あれは悪い夢だったんだ。


あれはきっと、あたしの空想だったんだ。






そう思いたいけど





思えない。











































「・・・・・ん・・・・」



「・・・目が覚めたか。」



「ッ修兵先輩!?何で・・・」



「此処は四番隊。俺が居ちゃいけねぇのか?」



「・・・いえ・・・・」































・・・そうか。



あたし、あれから意識失ったんだ・・・・。

朽木隊長が運んで下さったのかな?


でも、居ない・・・・・。


四番隊に手渡して、あの人は行ったんだ。

忙しいもんね・・・。仕方ないか・・・・・・。








あたしは真っ白な壁に包まれた部屋を見渡した。


まだ微かに朽木隊長の香りと霊圧が残る。



あたしは浅い眠りだったんだと気付く。





ゆっくりと起き上がると、全身が痛む。


あれだけ


色んなコトがあったから。
































「・・・・大丈夫か?」


「・・・はい・・・。」


「・・・辛いと思うが、お前に指令・・・・入ってんだ。」


「・・・・・そう、ですか。」


「・・・行けるか?」


「・・・・はい。」



「・・・でも安心しろ。虚じゃねぇ。成仏してねぇ霊の魂葬だけだ。」


「え・・・・?」


































・・・指令の筈なのに、魂葬だけ?


そんな異例な事があるのか。



あたしはそんな目で修兵先輩を見詰めた。


そしたら
修兵先輩は少し、微笑んだ。



凝視しないと 気付かない程の 笑顔。



































「俺が東仙隊長に言っといた。は病み上がりだからって。」


「・・・・すみません・・・」


「気にすんな。まぁ指令は指令だからとりあえず魂葬だけ、な。」


「はいッ・・・」


「・・・・そろそろだが、行けるか?」


「はい!」
































あたしは取り戻した力で笑顔を作った。

無理しては居ないけど

心配はかけられない。



修兵先輩に手伝って貰ってベッドから降り、
死覇装を整えて、四番隊を出た。

忙しいのにずっとついててくれた修兵先輩に感謝しながら



地獄蝶を手に取った。



















































































































『・・・お姉ちゃん、アッチは怖くない?』



「うん。こんな処より全然良い処よ。お腹も空かないしねvV」



『ホントに・・・・?』



「お姉ちゃんを信じなさい!」



『・・・・ありがとう。お姉ちゃん。』



「いえいえ・・・・。アッチで会えたら良いね。」



『うんッ!』

































・・・・・キィィン・・・






















































「・・・・ふうっ。」


























現世に着き、難無く魂葬終了。





まだ合わない空気に嫌気が刺すけど、仕事だから仕方ない。

あたしは魂葬した女の子に笑顔を向けながら、少し深呼吸した。


都会・・・の生臭い空気。生温かい匂い。鼻に付く。


でも久し振りだから、人気が無いところで足を止めた。





しんとする屋外。





空は青々としていて、清々しい。

あそこにあたしは住んでるんだ、と感じると
なんだか微笑ましく思えた。





































「・・・・少し歩くか。身体も調子良くなって来たし。」




































フラフラとするのも、気分転換。




あたしはそサボリをそう変換し、

刀を仕舞い、道を辿りだした。









何分も歩かない。


ちょっと、フラつくだけ。



そのつもりが、現世には色んなモノがあったからどうしても目に付く。

触れられないモノに触れようとして、
可愛い髪飾りや可愛い小物入れがたくさんあった。

大きな・・・・中に人が映ってる『テレビ』とか言うのも見た。
興味あるものばかり。

現世もたまには良いかも。



























そんな事を考えながら、ブラブラと街を歩いていたら


ポツンと佇む、小さな店を見付けた。













そこであたしは


ある『人』を思い出した。





その人を求め、その小さな店に近付いた。




























































浦原喜助










































































結構世話になってるコイツを求めて。



































































―――――――――――――ガララッ
























「すみませーん。」































・・・・・反応なし。




昔からいつも外で遊んでいたジン太とウルルも見当たらない。


テッサイさんも。目当ての店長も。



あたしは不思議に思いながら、駄菓子が並ぶ店内を奥へと進んだ。






いつも、偉そうに座っている浦原の特等席に腰を降ろす。





空虚な雰囲気の店内は、子供が遊びに来れるほどの明るいモンじゃない。

あたしはそう思いながら、小さく笑った。
























その時。


































































「アレ?さんじゃないッスかーvV」


































































悠々とした呑気な声が 後ろから聞こえた。



























































































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最近裏ナシですみませんUu

でも喜助大好きだーvV