「・・・・・ん・・・・・・?」
「起きたか、。」
「え・・・・?修兵先輩・・・?」
「あぁ・・・」
ふっと目覚めた。
すると此処は
三番隊ではなさそうで。
横を見たら檜佐木が、心配そうな顔で除いていた。
が寝かされていたのは
九番隊の仮眠室のベッドの上。
真っ白なカーテンが、窓際で揺れた。
「・・・・あたし・・・?」
「・・・市丸隊長が運んでくれたんだ」
「市丸・・隊長が・・・!?」
「『ウチの前の廊下で倒れてたで』なんて言いながら、お前を抱えて来た・・。」
「・・・・・」
「・・・・大丈夫か?」
「・・・はい・・・・・」
・・・まさか。
あたしは倒れていたんじゃない。
市丸隊長に・・・・・
の頭はそう叫んでいる。
けど
思い出したくない。
はゆっくりと起き上がり
ズキズキする頭を抑えた。
修兵は相変わらず心配そうな目で見つめてる。
はそれに応えるように、小さく微笑んだ。
「あたしなら大丈夫ですよ」
「・・・・市丸隊長に・・何かされたか?」
「・・!」
「・・・いや・・・・勘違いなら良いが・・・・」
「・・・・え・・?」
「・・お前を・・・・俺に抱き渡しながら・・・・言われたんだ・・」
ちゃんを傷つけたら殺すで。
「・・・・訳が分からなかった・・・でも・・・・・・」
「・・・大丈夫ですよ。」
「・・・?」
「あたしは修兵先輩から傷を貰ったことがありませんからv」
「・・・・・・・」
「・・それを言うなら、市丸隊長でしょ?」
クスクスと笑みを零す。
それを見て
安心したように笑う修兵。
何事も無かった。
の笑顔はそう感じさせる。
少し休んでから、平気だったら戻れ。
そう一言の残し
修兵は仮眠室を出た。
取り残されたは
震える手で
自分の胸元を開けた。
見難いけど
少し分かる。
紅い跡。
ふぅ、と溜め息をつき
じっと目を閉じる。
市丸は怖かった。
でも
は、最後に聞こえた声が忘れられない。
「・・・・・優しい・・・・・愛し方・・・・・・」
パッと目を開き
視線を天井に向ける。
真っ白な壁が一面に広がり
なんとも言えない開放感が包む。
少し深呼吸をし
整ってきた身体でベッドから降りる。
「・・・・・・今晩・・・また・・誰かと・・・・・・」
まだ
あたしは確かめていない。
自分の居場所。
自分の心。
自分の在るべき姿。
「・・・・・仕事・・行こう。」
軽く身を引き締め
皺ついた死覇装をはたく。
ベッドの脇にある斬魄刀を取り
腰に刺す。
髪の毛を梳き
静かに仮眠室の扉を開けた。
何も無いよ。
何も無い。
あたしの心は空っぽで。
身体ばかりを求めては
居場所までもを求めてる。
欲張りな
あたし。
それでも
空っぽを満たす者は居ない。
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