仕事に戻り
難なく定時まで終わらせた書類。
少量だったので
には負担にならなかった。
そして
ぞろぞろと身支度を済ませ
帰る隊員たちを避け
今日もまた
必要な身体を求めに。
外はもう真っ暗で
雲に覆われている月が見え隠れしている。
生温かい風が肌を通る。
周りを見回すと
遠くの方に隊員たちが居る。
気にせず
は逆の方向を歩き始める。
平隊員たちは通る事の無い
十番隊長の元へ。
幼馴染で
良くお世話になった日番谷。
の方が早く死神になったのに
日番谷に追い越されてしまった。
それでも気にしない。
何でも分かり合える
大事な幼馴染だから。
「暫く会ってないな・・・・冬獅郎・・元気かな・・・・」
小さく小さく零す声。
静かに静かに廊下を歩く。
すると
後ろから一つの霊圧がかかっている事に気付いた。
恐る恐る振り返ると
今、部屋に行こうとしていた目的の人物が。
「・・・・・冬獅郎・・」
「・・・おぉ。久し振りだな。」
「・・・ぅん・・・」
「どうしたんだよ。もう終わったんだろ?」
「うん・・・・・・」
「・・何か用か?」
少しずつ縮まる距離。
手を伸ばせば届く距離につき
は思わず下を向く。
日番谷は変に思いながら
もう一度問いかけようとした。
その時。
「冬獅郎・・・・・抱いて。」
「・・は?」
「抱いて・・・あたしを・・・・」
「・・・・何言ってんだよ。」
「・・・・・シたいの・・冬獅郎と・・・・」
頬を染め
押し殺すような声で呟く。
そんなの姿に
理性を崩されそうになった日番谷。
けど
今まで幼馴染だったを
簡単に抱けやしない。
日番谷は困ったように口を開いた。
「・・・・何で俺なんだ?」
「・・・冬獅郎なら・・・・分かってくれるかなって・・・・・」
「・・?」
「・・寂しい・・・・あたしの心。」
「・・・・・!」
「・・・お願い・・・・!」
顔を上げ
祈願するように見つめる。
日番谷は
決心したようにの腕を取り、唇を塞いだ。
後頭部に手を添え
腰に手を巻き
離れないように抱き合い
深い口付けを交わす。
も、大人しく日番谷の背に手を回し
ぎゅっと抱き締めた。
「・・・・・本当に・・・良いんだな。」
「・・その言葉・・・・何度も聞いた・・」
「どういう意味だ?」
「市丸隊長とも・・・・修兵先輩ともヤッたの・・・・」
「・・・!」
それを聞いた日番谷は
眉間に皺を寄せながら
強引にを自室へと引っ張った。
冷たいけど
暖かい手。
優しく微笑みながら
はおとなしく日番谷の後ろに着いて行った。
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